■マトラッセの魅力とは?
コロンとした愛らしいフォルムとシャネルならではの高級感を纏ったバッグ、それが「マトラッセ」です。チェーンバッグとして最も有名なのがマトラッセであり、シャネルの代名詞のような存在として君臨しています。ハイブランドに詳しくない人でも、マトラッセであれば見たことがある・知っているという程です。
マトラッセはそれほど有名で、誕生から現在に至るまで多くの幅広いファンを虜にし続けています。そんなマトラッセの魅力について、詳しく解説していきます。
・キルティング加工が特徴
「マトラッセ」とは、フランス語で「ふっくらした」「詰め物をする」と言った意味があります。その名の通り、マトラッセの特徴は、表面の規則的な立体感ですね。適度なふくらみが、手に馴染み柔らかさを演出しているマトラッセは、絶妙な高級感を漂わせています。
普段使いにパーティにと、幅広いシーンで使うことが出来るアイテムとして、長年愛されているのです。
・マトラッセの誕生秘話・歴史
マトラッセが誕生したのは、1929年になります。当時から革新的な商品を作り出していたシャネルの生みの親である「ココ・シャネル」は、常に女性の自由を謳ってきました。その女性の自由に一役買ったアイテムの一つが、マトラッセのショルダーバッグだったのです。
当時ショルダーバッグと言えば男性が使うものとして浸透していました。女性が使うのはハンドバッグやクラッチバッグで、それが当たり前の時代だったのです。ですがこれらのバッグは、自由度が低く使い勝手が悪いと考えたココ・シャネルは女性の為にショルダーバッグを作りました。それが、マトラッセのショルダーバッグの誕生だったのです。
・実用的な7つのポケット
コンパクトで使いやすいサイズ感が魅力的なマトラッセのバッグには、機能性バツグンなポケットが7つも付いています。
バッグの裏側、開けた時のフラップの内側、インナーフラップ内部、そしてメインには4つのポケットがあり用途によって大きさが違うのです。
バッグ裏側のポケットは“モナリザスマイル”と呼ばれており、柔らかな曲線を描いています。フラップ内側のポケットは“シークレットポケット”と呼ばれ、ココ・シャネルが恋人からのラブレターを隠しておくために作った箇所として有名です。メイン部分はとても小さく「何を入れるんだろう?」と疑問に思ってしまうポケットがあります。実は、その小さなポケットは「口紅」を入れるために作られており、サイズ感もピッタリ。
マトラッセにはココ・シャネルの女性に嬉しい遊び心が詰め込まれているのが分かりますね。
・サイズは5種類
マトラッセのショルダーバッグにはサイズ展開があり、その数は5種類になります。小ぶりなものから大容量まで、自分に合った大きさを選べるのは嬉しいですね。サイズ展開は以下に記載しています。
サイズ感目安《横×高さ×幅》
・マトラッセ20、mini…18×12×7 ・マトラッセ23…23×14×6.5 ・マトラッセ25…25×15×6 ・マトラッセ30…30×20×9 ・マトラッセ34…34×23×10
定番サイズはマトラッセ25で、多くの方が愛用している大きさです。20になるとスマホやカードケースが入る小ぶりさなので、ミニバッグとして持つのが正解でしょう。一番大きな34になると、A4サイズの書類が収まる大きさなので荷物が多い方にピッタリですよ。
・こだわって作られたチェーンのカラーは2種類
マトラッセを代表するチェーンバッグですが、実は使われてるチェーンのカラーは2種類あります。それは、ゴールドとシルバーです。チェーンストラップの発想は、当時のココ・シャネルが軍人が肩から下げていたチェーンからインスパイアされたと言われています。
チェーンだと服が傷みそう、と思われる方もいるでしょうが、シャネルに使われてるチェーンは洋服が傷つかない様に滑らかな質感に加工されてるので安心ですよ。
・2通りの使い方が出来る
ショルダーバッグとして使うことを真っ先に思い浮かべるマトラッセですが、実は2通りの使い方が出来ます。まずは定番の肩掛けですね。まっすぐに垂らしても斜めに掛けても大丈夫な使い方になります。もう一つがチェーンを2重にしてハンドバッグとして使う方法です。
その日のファッションによってバッグの雰囲気を変えられるので飽きが来ないのもマトラッセの魅力です。
・愛用する芸能人が多数
使い勝手の良いマトラッセは、芸能人にも多くの愛用者がいます。日本だと千秋さんや梨花さん、益若つばささんが有名です。海外だと、ヴィクトリア・ベッカム、ニコール・リッチー、アシュリー・シンプソンなど、多くの芸能人が愛用しています。
・手頃なヴィンテージも高品質
製造から25年~100年程経ったものをヴィンテージと呼んでいますが、定義はあいまいです。今であれば1990年前半より前に作られたものがヴィンテージとされており、現代には無い魅力があると注目を浴びています。また価格帯も、現行品に比べ安価なので、手に入れやすいと若い世代からも好評です。
安価であっても品質はさすがのシャネルで、高品質なので安心感があります。
・価格帯はどれくらい?
サイズ感や使われている革素材によって値段は変わってきます。人気の25サイズでキャビア素材を選んだ場合、大体65万前後はします。小ぶりなサイズや素材によって少しは安くなりますが、大体50万は超えると思っていた方が良いでしょう。
手に入れたいけど値段が気になるという方は、中古品やヴィンテージをおすすめします。
■マトラッセの人気アイテムとは
マトラッセとは商品の名前というよりデザインの名前になります。なので一口にマトラッセと言っても多くのアイテムがあり、その種類の多さに思わず目移りしてしまうことも。定番ラインから意外なアイテムまでたくさん紹介していきますね。
・マトラッセのアイコン“チェーンショルダー”
まずは、「マトラッセと言えばコレ」というド定番アイテムがチェーンショルダーです。見慣れたフォルムに高級感あるチェーンが何とも言えない魅力を醸し出しています。カラーやサイズ感も豊富で、購入する際にはいろいろと悩んでしまうかもしれません。とりあえずマトラッセのチェーンショルダーを持っておけば間違いないでしょう。
・丸みのある形が愛らしい“ポシェット”
ミニサイズのポシェットは、小ぶり感が愛くるしいアイテムです。大きなバッグより小さなバッグの方が自分を華奢に見せる効果もあり、ここぞという場面でナチュラルに持っているとおしゃれ感が増します。パーティや軽く出掛ける際に持ち運びしやすい大きさですね。
・女性らしさを底上げする“ハンドバッグ”
クラシカルな雰囲気を持ったハンドバッグは女性らしさの象徴でしょう。マトラッセの高級感にレディなハンドバッグは相性バツグン。フォーマルなシーンで重宝するシルエットは、シャネルラバーなら外せないアイテムです。
・コーデのアクセントになる“リュック”
カジュアルな印象のあるリュックも、マトラッセになればあっという間にエレガントになります。リュックのデザインは多くあるので、お気に入りのデザインが見つかること間違いなしです。
・形が豊富な“財布”
ミニバッグの登場でお財布にも大きな変化がみられる昨今ですが、マトラッセには種類豊富なお財布が存在します。ミニウォレットは、片手に収まるサイズ感で持ち運びしやすく、セカンドウォレットとしても人気が高いです。ボタンで留めるタイプからフルジップまでバリエーション豊富で、見るだけで楽しめます。またお財布バッグもあり、手で持つ必要もありません。きっと自分好みのマトラッセのお財布に出会えますよ。
・重ねづけもおしゃれな“リング”
シンプルながらそのエレガントさは忘れていない。マトラッセのリングは知る人ぞ知る隠れたアイテムです。存在感バツグンな太めの物からピンキーリングのような華奢なものまであり、シンプルでもマトラッセの魅力はそのままになっています。画像の様に重ね付けする方も多いですよ。
・ユニセックスで持てる“時計”
手に入れるのがなかなか困難なマトラッセの時計は、主張しないデザインが魅力的です。無駄を省いたヴィジュアルに隠し切れない威厳が漂うマトラッセの時計は、ユニセックスで使えるのでパートナーとお揃いで持つのもオススメ。エイジレスに使える時計を奮発して買って大事に使うと、より一層愛着が湧きますね。
■マトラッセの素材とは
豊富なレザーを取り扱うシャネルなので、その素材は多種多様です。
人気の素材から変わった素材までご紹介していきますので、お気に入りのマトラッセを見つけて下さいね。
・艶感がたまらない“ラムスキン”
独特の艶感に心奪われるラムスキンは、発売当初から使用されている代表的な素材です。羊の革から得られる質感と艶感は、高級感に一役買っています。ありふれたラムスキンだからこそ、シャネルで取り入れると良いでしょう。
・傷に強く長持ち“キャビアスキン”
キャビアスキンとは、型押しされた牛革素材のことを言います。表面が固めにできていて傷がつきにくいキャビアスキンは、ラムスキンと並ぶ人気素材です。革の固さが気になる方には、ソフトキャビアスキンがあるのでそちらを視野に入れてみると良いでしょう。
・手になじむ“カーフスキン”
清吾6か月以内の仔牛のカーフスキンは、牛革の中でかなりの高級素材として知られています。柔らかく薄さがあるので、軽く見た目の美しさも兼ね備えた繊細な素材です。その為傷が付きやすいのがネックですが、それを超える魅力がカーフスキンにはあります。
・一点物の柄“クロコダイル”
高級素材の一つであるクロコダイルは、厳かなヴィジュアルが魅力的な素材です。ラムスキンやカーフスキンには出せないシャープな存在感は、持っているだけで一目置かれるアイテムになります。
・汚れに強い“パテント”
革の表面にエナメル加工を施したパテントレザーは、はっきりした光沢感が存在感バツグンな素材です。天然の革にウレタン樹脂を用いた素材は、加工されてることもあり、傷に強く手入れも簡単です。手軽にマトラッセを持ちたい方にピッタリなのがパテントレザーになってます。
・カジュアルな装いにも“キャンバス”
シャネルの高級感を上手く遊ばせたのがキャンバス地です。カジュアルアイテムに使われるキャンバスですが、マトラッセの力を借りればカジュアルとエレガントの絶妙なコラボレーションが実現します。気軽に持てる素材は普段使いしやすく合わせやすいですよ。
・おしゃれ度アップ“デニム”
デニム好きを虜にするデニム地は、カジュアルアイテムの強い味方です。デニムでしか出せない青のくすんだ色味をマトラッセに大胆に使用してデニムの魅力をギュッと凝縮したデザインは一度は持ってみたいもの。バッグ単体でファッションが完成するデザイン性の高さは、見惚れること間違いありません。
・控えめな中にも存在感ある“ベルベット”
派手さを出さずに高級感を出すにはベルベットが最適でしょう。うっすら起毛した素材は思わず触りたくなるヴィジュアルです。革素材のマトラッセに飽きてきたら周りと差をつけるベルベットを手に入れると一目置かれますよ。
・寒い時期のコーデを格上げ“ツイード”
上品な雰囲気を纏ったツイードは女性が大好きな素材でもありますね。普段はジャケットに取り入れる事が多いツイードもバッグだとまた違った印象に。シンプルが好きな方でも、使いやすいデザインは長く愛用することが出来ます。
■マトラッセの人気色とは?
マトラッセには多くの素材があることが分かりましたね。お次はカラーの紹介になります。シャネルのブランドカラーはブラックですが、実はそれ以外にもたくさんのカラーがあるのはあまり知られていません。自分の好きなカラーがマトラッセにあると嬉しくなりますよね。ぜひ参考にして下さい。
・圧倒的人気の“ブラック”
シャネルの王道カラーと言えばブラックです。むしろ、これ無くしてシャネルは語れないと言っても過言ではありません。“シンプルな黒が女性の魅力を高める”と言ったココ・シャネルの思いは現代も受け継がれています。
・コーデの差し色になる“レッド”
レディな気分を盛り上げてくれるレッドは女性の大好きなカラーの一つですね。普段モノトーンが多い方でも、差し色に真っ赤なマトラッセを持ってくるだけで大きく印象が変わりますよ。
・スタイル問わず合わせやすい“ベージュ”
柔らかな雰囲気を持ったベージュは隠れた万能カラーです。黒より重くなく白ほど汚れが目立たない。そんな使い勝手の良いベージュは、若い世代からシニア世代まで幅広く愛されています。
・洗練された印象“ホワイト”
一点の曇りも許さないホワイトカラーは大胆なまでの白さが眩いばかりです。真っ白なお洋服を着る勇気が無くても小物なら案外持てちゃう。そんな気軽さから洗練された印象を自分のものにするのもアリですね。
・女っぷりをアップする“ピンク”
女性らしさ満載のピンクカラーは、パキッとしたビビッドピンクから淡い印象のさくら色まで幅広いラインナップがあります。クールな女を演じるなら濃いめのピンクを、優しく守ってあげたくなる女を演じるなら淡いピンクがオススメ。どうしても選べないなら両方手に入れるのも良いですね。
■マトラッセを持つ時の注意点
見た目以上の魅力があるマトラッセですが、気を付けるポイントがあります。購入した後で後悔しない為にもしっかり押さえておきましょう。
・サイズを間違えると斜めがけ出来ない
可愛らしい見た目のマトラッセは毎日愛用したいですよね。手で持ったり肩から掛けたり。ですが中には、斜めがけが出来ないタイプがあります。特にミニサイズのダブルフラップは斜めがけを想定してない作りなので、チェーンの長さは斜めがけするにはやや短めです。ダブルフラップでも30以上の物を選べば問題なく使えます。斜めがけを考えてる方は注意して選んでくださいね。
・チェーンバッグは40代を超えるとバブリーに見える⁈
高級感と機能性を合わせ持ったマトラッセのチェーンバッグは、バブル時代に多くの方が持っていたバッグでもあります。合わせ方やシルエットに気を付けないと、どうしてもバブル時代を彷彿させることに。そうならない為にも40代以上の特にバブル世代の方は、派手めなデザインより落ち着いたものを選ぶと無難で良いですよ。
■素人でも分かる!マトラッセの本物と偽物の見分け方
皆さんもご存じのようにシャネルは多くの偽物が出回っています。巧妙なフェイク品もあるので、間違って偽物を買う事が無いように気を付けましょう。ここでは偽物と本物を見分けるポイントについて解説していきます。
・ギャランティカード
ハイブランドの商品を買った時に付いてくるギャランティカードですが、本物であることを裏付ける大事な証拠になります。中には本物に似せたギャランティカードを付けた偽物があるので注意が必要です。ギャランティカードにはシリアルナンバーが書かれており、このナンバーの見分け方で本物か区別する事が可能になります。
まず本物のシリアルナンバーのフォントは必ず「ゴシック体」です。そして数字の「1」は必ず下線が入っています。またギャランティカードには透かしが入っており、本物は角度を変えるとココマークが見え隠れする仕掛けですが偽物にはそれがありません。
・内側の刻印
バッグを開けたフラップの内側に必ず「CHANEL」の刻印が入っていれば、それは本物の可能性が高いです。ダブルフラッペのバッグであれば外側と中側の両方の内側に「CHANEL」もしくはココマークが刻印されています。また注意したいのは「CHANEL」と書いてあっても安心しない事。本物はAの部分が平らになっており、偽物は尖っています。
・特徴的なロゴマーク
シャネルのロゴと言えばこのココマークですね。実はこれにも偽物と本物を分ける違いがあります。半物のココマークは必ず右側のCが左のCに重なるように出来ています。画像のブローチを見るとどれも右側が左に重なっていますね。これが本物の証です。もしココマークが重ならず「X」の形をしていたら、それは偽物でしょう。
・ファスナートップ
シャネルの商品に使われてるファスナーは、長方形の革で出来たタイプと丸いゴールドで出来たタイプと別れます。形は違えど本物には必ず「CHANEL」もしくはココマークが刻印されています。ファスナー部分がYKKになっていたら怪しいですね。
・開口部のネジ
バッグのフラップを開けた内側に留め具用の金具が付いていますね。この金具を留めているネジがマイナスであれば、そのバッグは本物のシャネルでしょう。ですがもしプラスになっていたら偽物になるので、購入の際はしっかりチェックして下さいね。
■マトラッセを長持ちさせるお手入れ方法
お気に入りのマトラッセを手に入れたら気になるのがお手入れ方法ですね。決して安くはないハイブランドのバッグだからこそ綺麗な状態を保ちたい。そんな気持ちに応えるべくお手入れ方法をご紹介していきます。
・使用後は柔らかい布でふき取る
毎日使っていれば様々な汚れが付いてくるもの。ほこりや排気ガス雨にぬれたりペットの毛が付いたりと色んな角度からバッグは危険にさらされています。もしあなたのバッグが汚れてきたら柔らかな布でそっとふき取って下さい。粗くて固い布や濡らした状態で手入れをすると、バッグが痛む可能性があります。なので手入れをする際は細心の注意を払って下さいね。
・革素材はワックスを塗る
一番最初に手に取るのがレザーのマトラッセである可能性は高いでしょう。なので革製品のマトラッセを手に入れた際にオススメしたいのが、使用前にワックスを塗ることです。ワックスを塗ることで汚れが付きにくく、仮に汚れがついてもワックス部分を手入れすることになるので、バッグ本体に傷が付く可能性はグッと低くなります。革製品のワックスは種類が豊富なので不安であれば購入店に直性問い合わせると良いですよ。
・湿気と直射日光を避けて保存
革製品は刺激に弱く私たちが思っている以上にデリケートです。適切な室温で保管できればそれが最高なのでしょうがそうもいきません。なので私たちが気を付けるポイントは、湿度が高くなく日の当たらない場所に置いておくことです。湿気や日光にさらされる事で革は変形変色します。なのでそのリスクを無くすためにも保管場所には気を付けましょう。
■人生で一度は手に入れたいシャネルのマトラッセ
シャネルの顔でもあるマトラッセのチェーンバッグは魅力に溢れたアイテムだと分かりました。マトラッセにはたくさんのアイテムがあり、豊富な素材とカラーが用意されていて見ているだけでも心躍る気持ちです。定番のサイズからポシェットの様な可愛らしいサイズ、A4サイズの書類が入るサイズと、バリエーションに富んでいて幅広い方に愛される理由が分かりますね。
何となくマトラッセの存在を知っていた方もこの記事でマトラッセラバーになったかもしれません。せっかくマトラッセが存在する時代に生まれたのですから一度は手に入れたいものですね。