ハイブランドのバッグというと真っ先に名前が挙がるのが「エルメス」であり、今に至るまで多くの人々に愛されてきています。エルメスのバッグにはいくつかの種類があり、今回ご紹介するのはエレガンスなバッグとして名高い【ケリー】。エルメスを代表すると言っても過言ではないエルメス【ケリー】の特徴や種類を詳しく解説していきます。
■ケリーとは
かっちりとしたフォルムで気品あるデザインは女性の品格を確実にあげてくれるハイセンスバッグとして今なお多くのファンがいるエルメスの【ケリー】。コンパクトな見た目と裏腹に収納力に優れている点からも、セレブや皇族などに愛されるラグジュアリーなバッグとして認知されています。
・ケリーってどんなバッグ?
ケリーは台形が特徴のフォーマルシーンに合わせたバッグで専用のストラップが付属しています。シンプルなデザインのワンハンドルはシックかつ洗練された印象になり、大人の女性が持つにふさわしいフォルムは手が届きそうで届かないハイセンスなデザインが魅力的です。かっちりと決めたい日はハンドルを手にかけて、カジュアルダウンしたい日は付属のストラップをあえてそのまま垂らす事でナチュラルな印象を与えることも可能に。サイズ展開がとても豊富で、用途によってサイズの調整をしたり同じデザイン、カラーのサイズ違いを持つことも出来ます。
また、ケリーの特徴として特筆すべきは【内縫い】と【外縫い】があるということ。ケリーと聞いて思い浮かぶのは【外縫い】のケリーが多いかと思いますが、それをややカジュアルに見せてくれるのが【内縫い】のケリーです。内縫いのケリーはサイドの縫い目を中に隠すことでフォルムに丸みが生まれ柔らかい印象になりますし、外縫いのケリーに比べると幅のサイズが1cm小さくなります。外縫いのケリーはかっちりした印象を与えてくれるのでフォーマルな場に最適。かしこまった場所で持つこと多いようであれば迷わず外縫いのケリーをおすすめします。
そしてバーキンと並びエルメスを代表するケリーは、普段なかなかお目にかかることのない高級バッグであるため、たびたびバーキンとケリーは互いに間違われることが多いです。見慣れない人からすると「どっちがどっちなのだろう?」と悩むこともあり、はっきりと違いを述べるのは難しいはず。なので2つを判別するためにはよく見る事が大切です。バーキンは収納力といった実用性が特徴で付属のストラップがありません。ハンドルが2つ付いているのも特徴的で、カジュアルにも使える大容量なバッグとなります。
とはいえどちらも素敵なバッグであるのは間違いないので、お目にかかれるだけでも嬉しいものです。
・ケリーの誕生秘話、歴史
1935年に誕生した【ケリー】は当初【サック・ア・クロア 35㎝】という名前で発表されました。皆さんご存じの通りシンプルで気品のあるエルメスのケリーは多くの人に愛されましたが、じつは正式な名前が長いこと決まっていなかったのです。元々は高級馬具の製造をメインに始めたのがエルメスであり、ケリーのもとになったバッグの型も馬鞍を収納するために作られた【オータクロア】が改良されたもので、のちのバーキンの型としても使われていきました。
ケリーを一躍有名にしたのが当時のモナコ王妃だったケリー皇女でした。1955年妊娠していたケリー皇女は、多くのパパラッチから出産間近と思われる大きなお腹を写真に収めようとフラッシュを浴びせられる中、エルメスのケリーでお腹を隠し対抗しました。その時の写真が世界的にも有名な雑誌に掲載され、多くの人の目に留まり注目された事がきっかけでエルメスはモナコ公国の許可を得て名前を正式に【ケリー】に改め、多くの人から愛されるバッグとして有名になりました。
エルメスのケリーは誕生から現代まで多くの遊び心を見せてくれるバッグであり、コレクション発表が毎回楽しみなブランドでもあります。
2000年には当時のエルメスCEOのジャン=ルイ・デュマによって誕生した【ケリー・ドール】のチャーミングさが話題になりました。廃盤になった今では当時の3倍の値がつくプレミアムなバッグとなっています。2004年にはケリーの前面に大胆なファスナーを施した【ケリー・ラキ】が登場。今も全サイズでデザインを展開している一味違うケリーを楽しめるデザインです。2011年に登場した【ケリー・ピクニック】は柳とレザーの融合が良い意味でエルメスの概念を覆してくれる魅力的なデザイン。春夏にかけて持ちたくなるナチュラルな作りは少女のような気持になれます。
1997~1998年には期間限定で開催された「不思議の国、エルメスへの旅」の会場限定で販売されたPVCのケリーが話題に。97年にクリアのPVCケリーが、98年にエルメスのシンボルカラーのオレンジのPVCケリーが限定販売されました。持っているだけで多くのケリーファンから憧れられる激レアなバッグですが、今現在は入手が極めて困難なデザインとなっています。
様々な表情を見せてくれるケリーの限定デザインは、多くの女性の心を掴んで離しませんでした。
・価格帯はどれくらいなの?
サイズ展開が豊富なケリーは、サイズや素材によって大きく価格が変わっていきます。ここでは定番かつ人気のサイズでおおよその金額をご紹介致します。
ケリー25…約1,100,000円~1,800,000円
ケリー28…約1,150,000円~2,100,000円
ケリー32…約1,250,000円~2,100,000円
ケリー35…約1,300,000円~2,200,000円
金額の幅が激しいので、サイズや素材がある程度決まっている様であれば調べてみるか店員さんに聞いてみると良いでしょう。参考までにお役立て下さい。
■ケリーのサイズの種類
かなりのサイズ展開を誇るエルメス【ケリー】ですが、そのサイズの数は8種類に及びます。
サイズ表記(横×縦×マチ)
〇15cm…15×11×8 (ミニミニケリー)
〇20cm…20×16×9 (ミニケリー)
〇25cm…25×19×10
〇28cm…28×22×10
〇32cm…32×23×12
〇35cm…35×24×13
〇40cm…40×28×16
〇50cm…50×34×25 (ケリーヴォヤージュ)
一般的にケリーと呼ばれるのは25~40cmのタイプになります。15~20cmのケリーはかなり小さく小物のような使い方も出来るバッグです。25~32cmのサイズ感であれば大きすぎず小さすぎず普段使うのにぴったりな大きさなので、ある程度の荷物を入れて使うことができます。また、人気のサイズでもあるので、お気に入りのデザインに出会えことが多いのも特徴です。35cm以上はかなり大きな印象を与えるので、ビジネスや旅行により適しています。
■ケリーの素材は?
革製品を得意とするエルメスなので、革の種類はかなりのものです。定番からなかなか手に入らないレアなものまであります。その中からケリーに人気の素材をいくつかご紹介していきます。
・トゴ
エルメスのケリーで特に人気なのがこちらの【トゴ】になります。自然な革の風合いを生かしたトゴは使うほどに味わいが出てきて、時間が経つにつれて革の表情も変わってきます。レザーバッグの素材としても見ることが多いので手に取りやすく、長期間の使用も可能。型崩れしにくい点も喜ばれ【ファーストケリー】としての人気は不動のものです。
・トリヨンクレマンス
キズに強い【トリヨンクレマンス】は牛革を型押ししたデザインが特徴的な素材。マットな質感で柔らかさのあるデザインは使いやすく人気の高い素材として認知されています。トゴとよく似ているため判別が難しいですが、トリヨンクレマンスは愛用していくと艶が出てくるので高級感を出したい方におすすめ。革にあらかじめ加工がされており、天然の革製品に比べるとキズに強い点も好評な素材になります。
・エプソン
型押しの雄仔牛を使った【エプソン】は他のエルメスのバッグや財布などの小物にも使われており、エルメスの中でもかなりポピュラーな素材になります。しっかりとしたエプソンは耐久性だけでなく耐水性もあるので、万が一水がかかってしまった時も革が痛む心配がありません。また、他の素材に比べると軽いため、その点も人気の一つとなっています。
・ボックスカーフ
こちらの【ボックスカーフ】もエルメスのアイテムの中で人気の素材となっており、特に気品あるケリーで選ばれる方が多いです。なぜなら【ボックスカーフ】自体にエレガントな印象があり、それとケリーを組み合わせることで最強のラグジュアリーバッグとなります。そのためフォーマルの場にふさわしいアイテムとして一つは持っておきたいと思い購入されるようです。また和装との相性も抜群です。
・エキゾチックレザー
【エキゾチックレザー】とは高級素材のことを言います。画像のクロコダイルをはじめ、オーストリッチやヒマラヤ、リザードなど希少性の高い革を使ったエルメスのバッグは入手困難なのもあり、通常の金額から2~3倍はすると言われています。高級感あるケリーのデザインと希少性の高い素材が組み合わさることで一味違ったラグジュアリー感を醸し出せます。
■ケリーにはどんなカラーがある?
エルメスのアイテムに使われるカラーバリエーションはとても多く、200種類以上と言われています。季節や期間限定のカラーを発表することの多いエルメス。今後もそのカラーバリエーションは増えていくと考えられます。その中でケリーに人気のカラーをご紹介していきます。
・ブラック
安定のブラックはマルチに使えてコーディネートを選ばない万能カラーなので年齢関係なく人気があるカラーです。ブラック×トゴの組み合わせは鉄板で、ケリーのデザインに悩んだときにおすすめ。汚れが目立ちにくく素材によって大きく変化するブラックは、一つは持っておきたいものです。
・エトゥ―プ
エルメスの数あるカラーの中でも人気の高いエトゥ―プは、絶妙な色味がポイントの優しい色合いが特徴のカラー。明るすぎず暗すぎないカラーはコーディネートしやすく、オンオフ共に使うことが出来ます。ケリーの上品さとエトゥ―プの組み合わせは何とも言えない優雅な印象を与えてくれるので、持ってるだけで周囲の注目を浴びることも。
・ブルー
爽やかな印象を与えてくれるブルーは、落ち着いた色味から明るい色味まで幅広く、よく選ばれる人気のカラーです。定番のカラーに飽きてきた方は落ち着いた雰囲気を感じられるブルーをチョイスすることで、華やかでありながらハデ過ぎない大人のカラーコーデを楽しむことが出来ます。
・ピンク
淡い色からビビッドなものまで多くの女性が持たれているケリーのピンクは差し色にピッタリ。素材によってピンクの見え方が変わってくるので、自分好みのピンクカラーを探すのも楽しみの一つですね。大きなサイズを選ぶより小さめか普通サイズのケリー25あたりをチョイスすると綺麗な色味がギュッと濃縮されて注目の的になれること間違いなし。
・バイカラー
ケリーのデザイン性をしっかりと感じられる色味のコントラストは、周りと差をつけることが出来るバイカラー。金具を強調した色使いは思わず見惚れてしまう程美しいです。合わせるカラーと色の見せ方で印象が変わるので、お気に入りの組み合わせを見つけて身に付けましょう。
■長い歴史を持つケリーの魅力とは
多くの方に愛され続けるエルメスを代表するケリーは、フォルムの美しさだけでなく収納力がありサイズ展開が豊富なところが魅力的です。気品高いケリーは、かっちりしたい日のフォーマルバッグとして活躍することもできれば、普段使いでややカジュアルダウンした表情に変えることも可能です。内縫い、外縫いといった製法でケリーのイメージをがらりと変えるだけでなく、発売当初からの気品あるデザインを保っているのも素敵なことです。
また、ケリーに合わせる小物で遊ぶのも楽しみの一つ。ハンドルにツイリーを施したり、合わせるチャームでセンスが問われるので自分だけのケリーを演出すれば、またひと味違ったケリーを楽しめます。限定のデザインやカラーは老舗ブランドでありながらも遊び心を忘れないエルメスの魅力が詰まっています。多くの女性を虜にし続けているケリー、一生の内に一度は手に入れてみたいですね。